大嫌いな幼なじみと再会した場合。
でも今からドタキャンなんて出来ないし…
「ってヤバ!時間!!」
私が腕時計を見てそう叫ぶと、
葵は私の荷物をひったくった。
「後ろ、乗れ。」
「い、いらない!荷物返して!」
こいつはこの間の250円といい、今の荷物といい、
人のもの奪うのが好きなのか!?
「はーやーくー。俺も遅刻すんだろ。」
「っ……!もう!ホント最悪!」
そう言いつつ、乗るしかない。
私は横座りで自転車の後ろに乗った。
「つかまった?」
「あ、うん。」
「しっかりつかまんねーと、落ちても知らんぞ。」
「は、早く出発してよ!」
葵がペダルを力強く踏むと、なんの抵抗もなく、自転車が前に進んだ。
やっぱ力あるな。
予想より速いスピードに怖くなって、サドルを掴んでいた手を葵のワイシャツに移した。
不本意だ……
頬には風が当たっているのに、どうにも暑かった。