私の仕事と結婚
こうして横に並んで歩いているだけで嬉しい。

「いらっしゃい。二人で来るのは久しぶりですね。」店長さんが声をかけてくれた。

ん?私以外の人とは来てるのかな?

「おい、個室空いてる?」

「そこの部屋が空いてるから。桜井さん、また来てくれてありがとうございます。そしてこいつを見捨てないでくれて良かった。」

横で典弘のスマホが鳴る。

「あっ、兄貴だ。先に個室に入ってて。」

典弘は入口の方へ歩いて行った。

個室に案内されると、店長さんがにっこり微笑む

「実は先週夜遅く、あいつがここに寄ってくれてね。桜井さんから連絡が来ないけど、どうしたらいいかって泣きつかれて。」

「えっ?」

「あいつね、これまではみんな向こうから告白されて、それに流されるかのように付き合いして、結局自分の方を見てくれないって相手に言われて、女の子に振られるの。」

店長さんが笑いをこらえるかのように話す。
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