私の仕事と結婚
「子供じゃないから…、大事な人だから心配なの。分かってる?」

痛い所を突かれて、私は一瞬黙る。

典弘の再度の問いかけに、店の名前を言うと

「すぐ行くから、勝手に帰るなよ。」

と念を押されて、スマホが切れた。

「野崎さん、何だって?」

美奈の方が早くスマホを切っていたようだ。

「ん、迎えに来るって。まだあんまり信用ないみたい。」

私は空笑いをした。

「私も一緒だよ。松島君も迎えに来るって。私達の彼氏は過保護だよね。」

そう言いながら、嬉しそうに笑う美奈。

「私は帰ったら怒られそう。一緒に住むようになってから、松島君厳しいのよ。」

「ねぇ、美奈はいつまで松島君って呼ぶつもりなの?」

ずっと気になっていたけれど、ちょうどいい、ここで聞いてみよう。

「松島君もプライベートでは下の名前で呼べって言うんだけど、会社で呼び間違えるのが怖くてね。一緒に組んでいるから、周りから変な気を回されたくないし。」
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