私の仕事と結婚
松島君との結婚が決まったため、夫婦で組むわけにいかなくなったから。

美奈は結婚後も仕事を続ける。

松島君は1年目の後輩と組んで、今度は後輩を育てていく側に回る。

「私も頑張るね。」

私はそう言って、頭を下げ挨拶をすると、会社を出た。

「何だか寂しいな。」

私は振り返って会社を見た。

そして一礼をする。

「お名残り惜しいかい?」

後ろから典弘の声がする。

「迎えに来てくれたの?」

確か約束はしていなかったはず。

「歩夢の会社最後の日だもの。当然でしょ?」

「でも今から…。」

「こっちでの仕事でしょ?」
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