私の仕事と結婚
優しく典弘が呼ぶ。

そちらへ顔を向けた瞬間、体を乗り出してきた典弘の唇が一瞬私の唇に触れた。

「可愛い顔で煽らないで。ただでさえ手を出すのを我慢しているんだから。歩夢に必要になったらみたいな事言って、かなり後悔してるんだから。」

「でも結婚をそんなに早くしないといけないの?」

「結婚してから、ゆっくり時間をかけてお互いを理解していっても良いかなぐらいに思ってるから。まあ、歩夢を早く俺の物にしとかないと、逃げられそうだし。」

「私はそんなにモテないわ。でも結婚してからお互いが合わなかったらどうするの?」

「歩夢、本当にそんな事思ってる?」

駐車場に車を止めると、典弘は私の方に体を向ける。

「俺はどんな歩夢を見せられても大丈夫だ。あとは歩夢の気持ちだけ。」

そう言って私を引き寄せると

「もっと俺の事を好きになって。お願い。」

そう言って唇を重ねてきた。

本気が伝わる深いキス。
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