私の仕事と結婚
「そんなの関係ないって歩夢も分かっているだろう?しかも俺は4年も片思してきたわけだから、早いと言うより遅いくらいなんだけど。」

首をかしげ拗ねるような典弘を見て、思わず笑ってしまった。

「結婚相手として俺に何か注文はある?」

「まだ分からない。」

私は正直に答えた。

多分この人と結婚したら、楽しい生活を送れるような気がする。

でも…。

「もうちょっと時間を頂戴よ。典弘の事ももっと知りたいっていうのもあるけど、逆にもっともっと私の事を典弘に知ってもらいたいし。」

「もう充分なんだけどな。」

ふっと典弘は意地悪な表情をした。

「まだ体の相性は分からないけどな。」

「もう。」

私は真っ赤になってしまった。

信号もちょうど赤になったタイミングだった。

「歩夢。」
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