私の仕事と結婚
「典弘こそ久しぶり。」

目が合うと、二人とも吹き出してしまった。

久しぶりに見た好きな人の顔。

「俺も連絡しないけど、歩夢には参ったよ。普通こっちから連絡しなくても、こっちを伺う連絡が相手から来るもんなんだけど、本当に2週間も音沙汰がないなんて初めてだ。」

「本当に忙しかったの。でも無駄な連絡は取らない方が良いと思ったから、自分に都合がつけれるようになるまでしなかったの。」

「本当に歩夢には振り回されてばかりだ。」

私の肩を抱いて歩き出す典弘。

店に着き、食べながら話す。

「実は俺にも連絡をつけられない理由があってさ。」

典弘は食べながら、私の顔を覗き込む。

「設計事務所をしている兄貴が居るって言っただろう?その兄貴が手首を骨折しちゃって、俺が兄貴の仕事をこなしていたんだ。初めの1週間は寝る間も惜しんで、会社と両立していたんだけど、もう限界でさ。この1週間は設計事務所にかかりきりだった。」

そういえば目が赤い。
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