ジャスミン花
ドン・キホーテの前に行くとタクシーにまみれ、黒の車が止まっていた


しかもBMWだった…


BMW……
あいつの好きな車…


中川さんは車から出て来て
「愛ちゃん〜」
って呼んで手を振っていた
お辞儀する私


「おじゃまします」
といって

私は車に乗り込んだ


途端…何処か懐かしい匂いがした


だけど少し違う気もした


゛私の香水かな…"



車は走り出した
この大都会の東京の真ん中で

「今日はありがとうございました」

笑いそぅ私は言った


「いぃえ、遅いのにごめんな」

「いぇ」

二人共笑っていた


「何処行くんですか-?」

「ンーちょっと見せたい物があってね」

「何ですか-」

何故か怖くなかった…


きっとあいつに似てる所が多かったからかな…


「音楽でもかけよっか?」

って言い出した中川さん

「はい」

私は言った



流れて来た曲は゛EXILE"だった


ねぇ…大好きだったよね
゛EXILE"


車は走り続ける

゛EXILE"が流れる中を…


泣きそうになる私…


だけど泣かない
人前では泣けないそんな私だった


何度か曲が流れ…
゛ただ…逢いたくて…"
が流れた


中川さんに逢って私は
隠してた胸の内も
それを隠すように笑う私ぢゃなくなりかけていた
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