小さな恋物語
「この家に来るのも、そろそろ終わりにしようかなって思ってて」
「えっ…どうして」
優吾と知り合ったのは大学2年のとき。たまたまグループワークで一緒になって。私達はあっという間に仲良くなった。
「私ももう25だよ?そこは察してくれないと」
仲良くなって間もない頃、優吾に『彼女のフリをしてくれないか』と頼まれた。ちょっと苦手な先輩から飲みに誘われていて、のらりくらりかわしていたものの、それでも誘われ続けた優吾は彼女と約束があるからと言った。先輩にそれなら彼女に会わせろと言われ、なぜか私がその役になってしまったのだ。
「えっ、ちょっと待って…お前、付き合ってるヤツいんの?」
さっきまでの笑顔がなくなって、優吾は明らかに戸惑っている。
「いないよ。いたらとっくに来てない。ちょっとね、アプローチされてる人がいて」
取引先の人で、はっきり好きだと言われたわけではないけど。半年くらい前に飲みに誘われて、それから時々飲みに行っている。