小さな恋物語
「どんなヤツ?」
「言わないよ。私のプライバシーだもん」
優吾の彼女のフリをすることになったものの、同じ大学だから先輩に出くわすこともあるわけで。半年くらい優吾と行動を共にしているうちに、私はいつの間にか優吾に惹かれていた。
「俺より気が合うの?」
「うーん…どうかな。でも、一緒にいて嫌じゃないから合ってるのかもね」
「侑美は好きなの?そいつのこと」
「…嫌な人とは二人で会わないよ、私は」
「好きだって言われたの?」
「まだ言われてない」
優吾はテーブルを叩いた。滅多に怒らない優吾が感情をむき出しにしている。拳を握りしめて。
「そいつに好きだって言われたら付き合うのか?」
「それもいいかなって思ってる。だって私、大学時代からずっと彼氏いないからね?先のこと考えたらそろそろ相手がいた方がいいじゃない」
結婚も出産も今は色々な選択肢がある。一人でも生きていける時代だ。でもやっぱり一人は寂しいから。