小さな恋物語
「だから、こうやってたまにここに来るっていうのも終わりね」
「…たまにじゃなかったら、来てもいいってこと?」
マジなトーンで言うから。顔を見るととても真剣で、でも物凄く怒っていて。こんな優吾を私は見たことがない。
「…私はこういう曖昧な役割はもう嫌なの。友達よりも仲が良くて、でも付き合っているわけじゃない。私は優吾が好きだから、一緒にいられるなら別にこういう形でもいいって思ってた。でもこの先もずっとこうで、このまま歳を取っていくのはやっぱり嫌なんだよ」
バカやったり遊びに行ったり飲みに行ったり…全部が楽しいからその分時々怖くなる。私は優吾の何なんだろうって。誰よりも一番近くにいるのに、まだ私の知らない姿があって、それを知ることは永遠に出来ないんじゃないかって。
「それとも優吾は乗り越えられてるの?」
彼女を作らない理由はトラウマ。私達が知り合って間もない頃、実は優吾に大変なことが起きていて。高校時代から付き合っていた彼女とは別々の大学で、たまたま街ですれ違ってしまったのだ。他の男と手を繋いで歩く彼女と。