溺愛オフィス


サイズは葉書に近い。

手紙だとしたら、しわになっても良くないだろうと思い、私はぐっすり寝ている父の手からそっとそれを抜いた。

そして、テーブルの上に置こうとした刹那──


ひとつだけ、ひらひらと床に落としてしまって。


汚したらいけないと慌てて拾い上げ……気付いた、その正体。


それは……


「こ、れ……」


手紙でも、葉書でもなく。


「……私だ」


幼い頃の、私の写真だった。


もしやと思いテーブルに置いたものも確認すると、そこにあったのは全て幼い私が写っている写真で。


「お父さん……何で……」


誰かが持ってきた?

もしかして祖母が?

きっとそうだ。

でなきゃ、父が私の写真なんて──


と、その時だった。



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