栗色彼女(*番外編14p〜*)
読みたい?
そんなわけない。
目についたのは、第二巻。
二巻から読んだって意味がわからないのに。
「あ。」
音もなく、ぶつかり合った手。
その人は一巻を、私は二巻を。
そしてその人と私の手は、静かに触れていた。
「あ、す、すいません。」
素早く手を引っ込める、彼は…
「こちらこそ、ごめんなさい。」
確か二年の、
「失礼しますね。」
秋川達也、くん。
「その時俺に惚れた!?」
「ふふ、それは達也くんでしょう?」
「え、いや、うん、まぁ、うん」
「…達也くんって、バカ。」
「え!?」
(それが、どれだけ…)