LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレは、鈴蘭に訊いておきたいことがあった。
それは鈴蘭も同じだったらしい。
オレより先に切り出してきた。
「煥先輩は、わたしのこと知ってました? 安豊寺家が青龍の家系だってこと」
「知らなかった」
「ですよね。わたしも、一昨日、師央くんの白獣珠を見るまで、伊呂波家のことは知りませんでした。あの日、初めて、両親から具体的な話を聞きました。四獣珠を守る四つの家系の名前。それぞれの家の間に交流がないこと。そして、交流を持たない理由」
いつの間にか、オレの隣に鈴蘭がいた。
師央が一人、少し先を歩く形だ。
鈴蘭は前を見つめている。
横顔が真剣だった。