LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレは、師央の栗色の頭を見ながら言った。



「四獣珠に関すること、話してくれ。オレの家系には、話をできる人間がいない両親は他界したし、祖父母もいない。伊呂波の苗字を持ってるのは、オレと兄貴だけなんだ」



伊呂波家は父方の血筋だ。


両親が死んだ後、オレと兄貴は母方の親戚に育てられた。


兄貴が高校に上がるとき、一緒にそこを出た。



鈴蘭がカバンを持つ手を替えた。


オレの膝のあたりで、重そうなカバンが揺れる。


置き勉しないのかよ、この優等生は。


オレは呆れつつ、鈴蘭のカバンを持った。



「続き、話せ」


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