LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「諸君もお察しのとおり、私も能力者だ。

それも、少し特殊な能力を持っている。

私は割と全知全能でね」


まるで自分が神であるかのような言い草だ。

が、平井はかぶりを振った。


「神ではないよ。

私は、世界の創造などしていない。

老いるし、たまに風邪もひく。

動き回れば、筋肉痛にもなる。

ただ強いチカラがあるだけの人間だ」


肉体的に普通の人間だとしても、だ。

心の声を、平然として聞いている。

全知全能ってのは、どれだけのものなんだ?


平井は少し間を取った。

鈴蘭を見て、うなずいた。


「安豊寺鈴蘭さん、きみの考えるとおりだ。

私は今、力を抑制している」


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