LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


全員の心の声を、平井は同時に聞いている。

その上で、平井ひとりがしゃべっている。

不気味でアンバランスな会話だ。


「怖がらせてすまないね、伊呂波師央くん。

でも、テレパシーは小さなチカラだ。

これを抑えておくのは、かえって難しいんだよ」


まるで、目の粗い網だ。

大きな獲物を捕らえるために。

小さな獲物を見逃すような。


「その例えは、至極正確だよ。

伊呂波煥くんと、長江理仁くん。

2人とも、頭の回転が速いんだね。

少しまじめに勉強すれば、テストも満点だろうに」


余計なお世話だ。

点数なんか、どうでもいい。

卒業さえできればいい。


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