LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「ループしているかもしれないんですよ。この一枝、延々とループし続けてるかもしれない。その可能性に、さっき気付いたんです」
「ループって?」
海牙は理仁に目配せした。
理仁は、海牙に「どうぞ」とジェスチャーする。
海牙が話を続けた。
「煥くんが持っている白獣珠をA《エー》とします。やがて生まれる師央くんが、Aを引き継ぐ。Aを持った師央くんが時間をさかのぼる。
過去で出会う煥くんも、白獣珠を持っている。これをA’《エー・ダッシュ》とする。
Aのほうは、過去の時点で紛失する。でも、やがて生まれてくる師央くんはA’を引き継ぐ。今度はA’が時代をさかのぼる。Aがどこかに紛失したままでね」