LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
師央が、ふらりとよろけた。
「それが繰り返されてるって言うんですか? ぼくが、時間をさかのぼり続けて、Aの’《ダッシュ》の数が増え続けて、つまり、白獣珠の数が、増え続けていて?
でも、おかしいですよ。それじゃ、どこに、そんなたくさんの白獣珠が?」
海牙が、かぶりを振った。
「わからない。曖昧な仮説ですよ。物理的には成立し得ないように思える。でも、原理的に想定することもできる。
ただし、もしこの仮説が正しいのなら、危険ですね。この一枝の質量が増え続けているんだから」
師央が、へたり込んだ。
「じゃあ、ぼくは? ぼく自身は、何人?」