ハートブレイカー
「楽しそうなのはいいけど、あそこはちょっと・・・がさつすぎない?それに保育園だし。直哉は頭がいいんだから、幼稚園へ通わせて、お勉強をさせたほうがいいんじゃない?」

確かに直哉は頭がいい。
それに保育園は「預かり所」、幼稚園は「学びの場」という風潮は確かにある。
実際私は、直哉を幼稚園へ通わせようと思っていたけど・・・。

『遠すぎる』
『分かってる。でもまさかここに引っ越すとは思ってなかったし・・ ・』
『うちの近くに新しくできた保育園がある。問い合わせてみたら、 若干だが、まだ空きがあるそうだ。おまえも仕事に行くなら、そこへ直哉を預けないか?』

そう「提案」した彼は、すでに申込用紙や必要書類を用意していた。
周到すぎる。

直哉が行く予定だった幼稚園は、送迎バスもあり、延長預かりもできる。
だから引っ越したことで遠すぎるけど、何とかなる。
後は制服やら必要なもののお金を、彼に頼んで・・・と思っていた矢先にこの提案で。

彼なりに考えてくれていたこと、その保育園はとても好印象だったこと。
直哉も行く気になったこと。
それで私も彼の提案に従うことにした。

さて、お母様にどう反論しようかと思っていたけど、その隙は与えられなかった。

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