ハートブレイカー
「去年から慶葉(けいよう)に幼稚舎ができたじゃない。そこはどう?」

彼なら払うお金は十分持ってるでしょうけど、勝手に決めないでください。
それに、もっと遠くなるじゃない。

「直哉は今の保育園で満足しています。そうコロコロと環境を変える必要はないと思います」
「違うのよ。小さいからこそすぐ慣れるから、今のうちにキチンとしたところへ通わせて、直哉に十分な環境の下で教育を・・・」
「あの保育園は俺が見つけたところだ。それに、直哉はあそこで満足していると愛美(まなみ)も言ったし、直哉自身も言った。あと数年すれば義務教育が始まるんだ。今から詰め込むことはないだろ」
「それじゃあ遅いと言ってるの。朔哉自身がいい例でしょう?あなたの頃から慶葉の幼稚舎があればねぇ」
「なくてよかった」
「まっ、朔哉っ!」
「俺は英才教育してくれと頼んだ覚えはない。その知識が今、役に立っているのかもしれないが、自分の子どもにそういう教育をさせる気はない。大体直哉はまだ3歳だぞ。遊ぶことが仕事だろ」

来月4歳ですが。
そこにかけるお金がないという実情を抜きにしても、彼の考えには賛成だ。


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