ハートブレイカー
「あの」
「なによ」
「私を殺すって・・・そんなことを3歳の息子の前で言うのは、冗談でもやめてくれませんか」
「あ・・・ご、ごめん」
「大体、私はこの人になんか全然興味ありません!それに以前からずっといやらしい視線を向けらえて、しかも今日なんて私に触れてきて。嫌がらせにもほどがあります!こっちは被害者なんですよ、 加害者じゃなく、共犯者でもなく!そこ分かってます?」
「わ、わかる、わよ」
「だったら、もう二度と私たち親子に近づくのはやめてください!今度またこういうことされたら、法的手段に訴えることも厭わないから」
「へんっ。やれるもんならやってみ・・・」

「やるから、私」

不思議とさっきまでの怯えはどこかへ消えていた。
こんな人に自分の人生を少しでも乱されるのは、真っ平ごめんだ。
しかもそれが息子にまで及ぶというなら、私は本気で闘う。

子どもを守る母親がどれほど無敵か、思い知れ!

< 54 / 223 >

この作品をシェア

pagetop