ずっと好きだった。
藤波くんは、笑って離れた。

やっぱ女慣れしてるのかな。動揺とかしたとこ見たことないや。

「あ。授業始まるよ?」

「そうだね。またね」

藤波くんは自分の席に戻った。

席替えしたのに、また隣の席には翔馬。

なんか…気まずい。

あの女の子すごい可愛い子だし。

…付き合ってるのかな。

「平瀬ー。この問題解いてみろ」

「あっ。はっ…」

ぐらっ。え?

椅子から立ち上がると、急に目の前が真っ白になって、

最後に見たのは…白い天井…そして…。


―――あれ。ここって…保健室?

えっと、今まであたし…

「あー。やっと起きた?平瀬さん」

「あ、先生。あたし…?」

「貧血で倒れたみたいよ?バスケ部のマネージャーやってるのに、

ちゃんと食べてないの?」

「あ。えっと…」

「まぁ、いいわ。ちょうど3限目終わったから、

戻るか、帰るか。どうする?」

「教室戻ります。ありがとうございました。」
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