誰よりも、君が好き
中に入ると、そこはカップルや女子がたくさんいて、
私たちみたいな二人組も、もしかしたらカップルに見えてたりするのかなって思うと、少しだけドキドキする。
「はやく席行こうぜ」
私が店内を見回していると、
匠くんは私の手を引っ張った。
ドクンっ
匠くんにとっては、多分こんなのなんでもないけど。
…恋愛したことない私にとっては、
こういうのハードル高いよ!!
匠くんに掴まれている手首が熱くなった感じがする。
なんでこんなこと…さらっと出来ちゃうのかなぁ!!
「悠はなに頼む?」
席につくと、匠くんにそう聞かれた。
でも!!
私はさっきのでまだちょっとだけドキドキしていて。
この、天然のタラシがっ!!
心の中で、呟いてみた。