銀猫ー最強歌姫の再来ー
 それと同時に顔をあげると、鬼の形相をした奈都が立っていた。

「お前、転校してきてから初日で授業中に居眠りするな…!罰としてあの問題を解いてこい。」

「えー…。」

「えー、じゃない!早く!」

「はーい。」

 奏雨は寝起きの目を擦りながら、黒板へと向かって歩く。

 数式がずらずら並べられているのを見ると、どうやら数学の授業のようだ。
 
 そして、奏雨は暫く黒板を見つめていた。

 (流石のお前でも解けないだろう…。)

 と、奈都は思った。

 (これ、フェルマーの最終定理?あぁ、奈都にアメリカのH大学行ってたの伝えてなかった。これ結構簡単。)

 と思う奏雨。

 奏雨意外の生徒達は分からないのか、首を傾げて黒板を見ている。

 (まぁ、これは大学の入試問題に近い。奏雨でも解ける訳ないか。)

 奈都はそう思い、ニヤリと笑った。

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