私の身体と心
私は彼のそんな仕草に、さっきのはたまたまかもしれないと思った。

ベットで大の字になっている彼は、

「侑希、早く来てよ。」と手を伸ばす。

私はその腕にくるまれながら、寄り添う。

ガウンを脱がされながら、彼は私を組み伏せる。

いつもはここで彼は私の首元に顔をうずめる。

だが今日は違った。

「んっ…。」

いきなり私に微笑むと、唇を重ねてきたのだ。

この付き合いが始まった頃、彼は私の唇に一切キスをしなかった。

やっぱり私はセフレなんだなと感じた瞬間だった。

それがいつの頃だろうか。

情事の途中で思いついたように、キスする事が増えた。

でも情事の前にキスするのは、今日が初めてだ。

その唇が離れた後、私は不思議そうに彼の顔を眺めた。
< 40 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop