私の身体と心
「面と向かって座った事なんてないじゃない。」

「いつもはもっと顔が近いよな。」

何でこの人はこういう事をさらっと言うんだろう。

でもこれを口火に私達は初の居酒屋食事会へと突入した。

さすがに話は合う。

これまでの3年間の賜物だろうか。

何故かお酒も食べ物も好みが合う。

しかも…、驚くほど彼は飲む。

私と同じペースでも全然酔っていないようだ。

「ねえ、大丈夫?無理してない?」

「侑希もなかなかだね~。いつもなら相手はくたばっている。男でも。」

彼は満足そうに笑う。

「私はまだ電車で帰れるよ。このままだとキリがないから、そろそろ切り上げようか。」

「ん?まさかこのまま帰る気じゃないだろうね?」

「えっ?だってそろそろ終電だよ。」
< 58 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop