真っ赤なお伽話
僕は未だ手を付けてないアイスコーヒーに手を伸ばす。手につく水滴が不快であった。
源内さんはふと昔を思い返すような遠い目をしながら、漏らすように言葉を発する。
「荒唐無稽だなんて本当に君はひねくれているなぁ。学校は愛すべき場所であって、皮肉る場所ではないんだよ。君の様な高校生が居るからいつまでも道徳だのは消えないんだろうねぇ。」
その後に「僕が高校生のころは…」と続けたことから、これから源内さんの思い出話が展開されるのは明白すぎるほど明白でむしろ可能性を疑ってしまうほどはっきりしていることなので、僕は現状を整理することから始める。
今、僕と源内さんは最寄り駅・柏の喫茶店で話をしている。僕は轟々野にまんまと騙されて参上したわけだが、源内さんの話によると源内さんは僕に会いたくて会ったらしい。そして、源内さんが僕を呼び出すとき十中八九僕は仕事を押し付けられる。(以前も、源内さんを囮とした救出作戦にかりだされ危うく命を落としかけたのだ。そういうデンジャーなところさえなければそれなりに好感を持てる人物なのだが。)僕としては予定を埋めるという行為は籠の中にいる小鳥になるような気分なので勘弁してほしいところだ。よってはじき出された答えは「源内さんをなんとか追い返す」で、あった。
「ということからも分かるようにオッカムの剃刀ってただ単純にオッカムが気が短かっただけじゃないかと思うんだけどどうかなぁ?」
源内さんはふと昔を思い返すような遠い目をしながら、漏らすように言葉を発する。
「荒唐無稽だなんて本当に君はひねくれているなぁ。学校は愛すべき場所であって、皮肉る場所ではないんだよ。君の様な高校生が居るからいつまでも道徳だのは消えないんだろうねぇ。」
その後に「僕が高校生のころは…」と続けたことから、これから源内さんの思い出話が展開されるのは明白すぎるほど明白でむしろ可能性を疑ってしまうほどはっきりしていることなので、僕は現状を整理することから始める。
今、僕と源内さんは最寄り駅・柏の喫茶店で話をしている。僕は轟々野にまんまと騙されて参上したわけだが、源内さんの話によると源内さんは僕に会いたくて会ったらしい。そして、源内さんが僕を呼び出すとき十中八九僕は仕事を押し付けられる。(以前も、源内さんを囮とした救出作戦にかりだされ危うく命を落としかけたのだ。そういうデンジャーなところさえなければそれなりに好感を持てる人物なのだが。)僕としては予定を埋めるという行為は籠の中にいる小鳥になるような気分なので勘弁してほしいところだ。よってはじき出された答えは「源内さんをなんとか追い返す」で、あった。
「ということからも分かるようにオッカムの剃刀ってただ単純にオッカムが気が短かっただけじゃないかと思うんだけどどうかなぁ?」