「人」拾いました。拾われました。
















「コック長からのご挨拶がございます。」


ボーイが連れてきた男には見覚えがあった


「もしかすると堺(さかい)か?」


「お久しぶりでございます。佳祐様…。」



堺は昔、家で料理長をしていた

出世したな……。




「本日の料理はいかがだったでしょう?」






佳「腕を上げたな。堺の料理とは気づかなかった。」



稔「流石、四つ星めっちゃうまかったでぇ」


胡「とても美味しかったです。」


蛍「……。」

蛍が少し悩んだようような顔をしている





「蛍どうした?感想を素直に話してやったらいいんだぞ?」




「あっ、ごめんなさい!メインのお料理の隠し味がお味噌とナツメグかなぁ?て悩んでたの。」




「よくおわかりになりましたね。」



「あってますか?」


「ええ。」





「堺、蛍の料理はなかなか旨いぞ。」



「私の料理なんて全然だよ( 笑 )プロに比べたら」




「そんなことないと思いますよ。私の料理の隠し味を完璧に分かったような素晴らしい舌をお持ちのようですし。

佳祐様の舌を唸らせることは並み大抵の料理では無理ですから。」




「ホントだぞ蛍。」



「ありがとう佳祐♡」


照れながら言う蛍




















「聞いてるこっちが胸焼けしてきたわ…。」

「わかる……。」







< 165 / 189 >

この作品をシェア

pagetop