「人」拾いました。拾われました。















数年前、





「佳祐ぼっちゃまー」

「佳祐様ーー!」






「いい加減に出てきてくれませんかー」


「お稽古のお時間でございますよ。」







なんだよ、毎日稽古、稽古って……

俺はこの家の跡継ぎだって……


お母さん……帰ってきてよ

グスン、グスン……(ρ_;)






東屋ってなんだよ
俺にお父さんなんて要らない、


母さんと2人で良かったんだよ












「こんな所に居ましたか……。」


「誰?俺、稽古なんていかない。」


「わかりました。」

「えっ!!」


「私は料理人の堺と申します、
お稽古のかわりに私についてきてもらいますよ。いいですか?」




「ほんとに稽古はしなくていい?」



「男に二言はありませよ。さぁ、」






うわぁ、

手引かれていく









「佳祐ぼっちゃま、そんな所にいらしたのですか!?お稽古へ!!」





「すみません、今から佳祐様には食育の時間をしますので。
もちろん御主人様には許可を取っています。
それから、…………」



後ろの方は何を言っているのかわからない

笑顔で俺のお世話役のメイドを言いくるめる



「わかりました……。」


























「どこに行くの?」

家の門を出て歩く





「着いてからのお楽しみです。」



それから、タクシーに乗り込む




















「ここって……。」


お墓がいっぱい……




「そうです、お母様が眠っている墓地でございます。」









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