いと。
「いらっしゃいませ。」
ドアベルの音が響き、その音の先へ向かう。
「こんにちは。」
現れたのは先日来てライトを買っていったお客さんだった。
「あ、先日はありがとうございました。いかがでした?あれ。」
「ああ、気に入りました。あなたに相談してよかったよ。
今日はちょっと食器を見に来たんです。また見立ててもらってもいいですか。」
短めのサラリとした髪を無造作に流した今風の若者なのに、仕立てのよさそうなシャツやハイブランドであろうシューズを身につけているあたりは育ちの良さを伺わせた。
細いメタルフレームのメガネから覗くクールな印象の切れ長の目元や流れるような動作、自信に溢れるようなハッキリとした話し方もそう思わせる一因だった。
「はい。こちらにどうぞ。」
食器の並ぶ一角へと案内し、
「和食器ですか?洋食器ですか?用途に併せてご提案させてください。」
そんな風に以前のように希望を聞きながら提案していく。
この仕事をしていて最も充実感を得られるのがこうして買い手の要望に答えながらこれという一品を提案していくことだ。
そんな私の様子を、店長はとても嬉しそうに眺めていた。