常務サマ。この恋、業務違反です
言葉で確かめ合うまでもなく。
高遠さんが、私の耳に唇を寄せた。


軽く食まれる感覚に、背筋にゾクッと刺激が走った。


私の反応を確認しながら、高遠さんは私の首筋に顔を埋める。
軽く吸い上げられる感覚に、一瞬身体が強張った。


そんな私を軽々と抱き上げて、高遠さんはリビングを出て行く。
そのまま廊下を突っ切って階段を昇って、一番奥のドアを肩で押すように開けた。


小さく振り返ると、大きなダブルベッドが目に映った。
高遠さんは躊躇う様子もなく、その中央に私を横たえた。


怖いくらい速く打ち続ける鼓動。
どうしようもなく熱くなる身体。
頬は上気して、呼吸は高遠さんの仕草に翻弄されて荒くなる。


高遠さんはベッドに腕を突いて身体を離すと、私のブラウスのボタンを器用に外していく。
そうして自分もネクタイを解いてから、シャツを脱ぎ捨てた。


初めて見る引き締まった胸にドキッとしている間もなく、その身体を私に重ねて来る。


照れ屋の高遠さんからは想像出来ないくらい激しく熱っぽい巧みなキスと愛撫。
戸惑ってる余裕もないくらい浮かされて、注がれる熱に夢中になる。


「……希望」


掠れた声で初めて呼ばれた名前。
それだけで、鼓動の高鳴りを抑えられなくなる。


そのまま、何も考えられなくなって……。


その夜。
私達は何度も繋がって何度も果てた。


心地良く気だるい疲労感を感じながら虚ろな眠りについたのは、窓の外が白み始めた頃だった。
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