父から届いたラブレター
君が3歳ぐらいの時
近所のおばさんに
「由紀ちゃん、お父さんそっくりね。」
と言われた事があったね。
すると君は急に泣き出した。
おばさんも私もただ驚いて
泣きじゃくる君を見ていた。
あの時はちょっとショックだった。
君はそんなに私と似ている事が
いやなのか。。。とね。
家に帰り、君が泣きながら
ママに訴えているのを
私は隣の部屋で聞いていた。
「私ね、女の子なのに
男のパパに似てるって
言われたの。
私、女の子なのに
男みたいなの?」
「そっか~それで泣いてるのね。
でも、おばさんは由紀ちゃんが
男みたいって言ったんじゃないのよ。
子供はみんなパパにもママにも
似ているの。
由紀ちゃん、パパに似てるのいや?」
「う~ん、そんな事ないけど
やっぱり、ママに似てる方が
うれいしよ。
だってママは女だもん。」
君は、私に似ていると言われて
悲しんだんじゃなかった。
男みたいと言われたと
勘違いして悲しかったんだね。
ほっとしたけれど、それでも
私は少し複雑な気分だった。
君から異性という境界線を
引かれたような気がしたからだ。