雨上がりの虹のむこうに
 続けておおまかな金額を口にし、その金額の八割が研修期間の金額だと付け加えた。


「正式な契約は文書に起こしたものに署名捺印してもらうことになります。そちらから契約時に付け加えたいことがあるなら言ってください。取り敢えずは仮契約の文書を起こしますので、三日後にまたいらしてください」


 後は出来るなと店長に確認を取り、他の視察もありますので失礼します、と去っていった。余りにも無駄のない行動だったため、こちらがぽかんとしてしまう。それはここに居合わせた人達も一緒だったようで、お互いを見て苦笑いを浮かべた。


「オーナーの許可も出たようてすし、文書はこちらで用意します。品川君は今月のブライダルの予定から、任せられるものがないか確認してくれないか」

「了解いたしました」


 ぺこりと頭を下げると、それを合図に店長まで出ていってしまった。

 
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