雨上がりの虹のむこうに


 またなくしてしまう不安よりも、今そばにいることが大切なんだ。




「むこうを見て」

 振り返った先に、淡い虹が架かっていた。この時間に虹に気づく人はどれだけいるのだろう。忙しい日常の、ほんの一瞬に。

「綺麗ですね」


 山並さんと偶然見ることのできた奇跡。忙しくしていて空を見上げることなんて、しばらくなかった。



 涙の雨で濡れた心にも、いつかは虹がかかるだろう。山並さんへと踏み出した一歩は、山並さんの隣へと並ぶことができた。


 心の雨を払う勇気をくれた山並さんと、ずっと歩いていきたい。


 それはきっと雨あがりの虹のかかった道だ。

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