雨上がりの虹のむこうに
 

 主催者からお祝いのプレゼントや花束を預かっていると、主賓である還暦のお父様がお見えになった。


 ここからが、本日の催しのスタートになる。


 まだ小さなお孫さんや、自分の身内に囲まれて和やかに撮影場所まで案内する。

 撮影場所である部屋には椅子や小物とともに山並さんが控えていた。


「こんにちは。撮影を担当します山並です」


 今日はカジュアルすぎないスラックスとワイシャツに、ネクタイも締めている。

 体ががっしりしていて、首が短いのでネクタイがきゅうくつそうだ。体の大きな山並さんが体を折り曲げているのは、曲技団の熊が芸をしているようで、微笑ましい。

 それでも体が大きいだけに、小さい子供には怖く映ったようだ。


 大人の陰に隠れてしまって、写真撮影なのに出てきてくれない。


「ほらほらこっちですよ~」

 なんとかこっちを向いてもらおうと、ぬいぐるみを動かして誘ってみるも、ちっとも効果がない。
< 22 / 113 >

この作品をシェア

pagetop