雨上がりの虹のむこうに
「困りました。どうしましょう…」
幸いにもこの施設は一日一組しか予約を受け付けないため、時間はある。それでも小さな子供の起きている時間は限られているし、食事の段取りもズレてくる。
「それじゃ、秘密兵器」
山並さんは、お母さんになだめられても、いやいやをする女の子と目線を合わせるように膝をついた。
「こんにちは。名前はなんて言うの? 」
涙目の女の子は、お母さんから肩を叩かれて、口を尖らせながら、やっと名前を口にする。
「……りほ」
「そう。りほちゃんは何色が好きかな? 」
「ピンク」
「いいね。かわいい。それじゃ、好きな動物は何かな? 」
「うさぎ。白くて黒いの。それでお耳が垂れているの」
横のお母さんから、「家で飼っているんです」と説明が入る。
「そうか。それならその子のお友達を作ってあげようね」