にじいろ。



――――。


知っている。彼は確かにそう言った。


だけど彼女には
彼に会った覚えはない。


でも、初めて会ったような感じもしない。


忘れているだけなのだろうか。


彼に尋ねてみようとしたが、


「じゃあね」


と彼はすぐにどこかに行ってしまった。


彼がいなくなった後、
少女は突然寂しさに襲われた。


だけど少女は嬉しかった。


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