ぎゅぎゅっと短編詰め放題
「……無理、急に呼べない」
「じゃあ俺も篠原さんって呼ぼ」
「……やだっ!!」
じゃあ、2人の時は、強制な。
と、それはそれは皇后しい限りの笑顔を見せて、あなたは言う。
胸の高鳴りが、止まらない。
下手したら、隣にいる本人にまで届いてしまうのではないだろうか。
「……何ひとりでブツブツ言ってんの、気持ち悪い」
「幸せだからいいんです!」
へへへっ、と思わず笑いが溢れる。
わ、やばい。
思わずなんの可愛げもない笑い方をしてしまった。
だけど、隣を見ると、いつも仏頂面の彼が、ほのかに口角を上げていたのだから、良しとする。
私たちは車を発進させた。
私は、このときばかりは、自分の家の近さを恨んだ。
すると、よほどしかめっ面をしていたのか、彼はどうした、と聞いてきて
私は何も言わなかったのに、静かに
「どこか寄ってくか」と言った。