ぎゅぎゅっと短編詰め放題




「……無理、急に呼べない」

「じゃあ俺も篠原さんって呼ぼ」

「……やだっ!!」




じゃあ、2人の時は、強制な。


と、それはそれは皇后しい限りの笑顔を見せて、あなたは言う。





胸の高鳴りが、止まらない。

下手したら、隣にいる本人にまで届いてしまうのではないだろうか。





「……何ひとりでブツブツ言ってんの、気持ち悪い」


「幸せだからいいんです!」





へへへっ、と思わず笑いが溢れる。

わ、やばい。

思わずなんの可愛げもない笑い方をしてしまった。



だけど、隣を見ると、いつも仏頂面の彼が、ほのかに口角を上げていたのだから、良しとする。




私たちは車を発進させた。

私は、このときばかりは、自分の家の近さを恨んだ。


すると、よほどしかめっ面をしていたのか、彼はどうした、と聞いてきて

私は何も言わなかったのに、静かに



「どこか寄ってくか」と言った。






< 55 / 57 >

この作品をシェア

pagetop