愛してやる。Ⅱ
「よっ」

ハルが真っ青で固まっている間にそう言ってニンマリと不気味に笑う龍也が現れた。

実の兄ではないが、兄貴がいた。

「何しに来たんだよ…」

自分でも声が低くなるのがわかった。

いま、結衣がこの教室に戻ってきたら危ない。

そう思うと、足が前に進んだ。

俺が結衣のところに行くとわかったのか、

「結衣を逃がそうなんて意味わかんねぇこと考えてるんじゃねぇだろうな?」

俺は龍也の目の前で足を止めて、

「そのまさかだ」

そう言ってまた前に足を踏み出そうとしている中で

「結衣って?」

「結衣ってさっき流星が瑠羽に間違って呼んでた名前」

そう、琉貴と月夜が言っているのが耳に入った。

でも、俺は動くことすらも忘れるようなことを龍也に告げられた。

「お前らは何もわかっちゃいねぇんだな。」

「あ?」

動こうとしていた足は泊まり龍也に鋭い視線を向けた。

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