会社で恋しちゃダメですか?
扉を開けると、重苦しい雰囲気が部屋に充満していた。入るだけで押しつぶされてしまうほどの重圧。
あおいは足を組んで、まるで泣きそうな顔をしている。対照的に山科は、腕を組んで眉をしかめていた。
園子は静かに扉を閉めると、二人の前にカップを置いた。
「その話は受けられないって言っただろ」
「でも、TSUBAKI からのリクエストよ。噂によると、もう竹永の人たちも、達也が TSUBAKI の人間だって知ってるみたいじゃない。なんの問題もないわ」
「問題はあるんだ。そんな話を勝手に進めるのはやめてくれ」
「彼女が問題?」
あおいが声を荒げる。
園子は突然指を指されて「は?」と間抜けな声を出してしまった。
「何いってるんだ」
「いつまでごまかすつもり」
「あおい、八つ当たりはやめろ。彼女が困ってるじゃないか」
園子は訳が分からず、トレイを持って立ち尽くした。
「池山さん、座ってココ」
あおいが自分の隣の席を指差す。
「え? えっと……」
「座って!」
「はいっ」
園子はあおいの勢いに押されて、慌ててパイプ椅子に腰を下ろした。
山科が最高に困ったような顔をして、あおいと園子の顔を交互に見る。
「池山さん」
「はい」
園子は何を言われるのか、びくびくしてしまう。おそらく、嫌なことに違いない。この雰囲気。決して友好的じゃない。
「今度 TSUBAKI の広報パーティがあるの。達也と一緒に出席してもいいわよね」