会社で恋しちゃダメですか?


園子は「はい」と頷く。
山科は溜息をついた。


なぜ駄目なのかわからない。わたしに聞いてどうするのかしら。勝手に行けばいいのに。


「池山さん、広報パーティっていうのは、マスコミ公開のパーティなんだ」
「はあ」
「だから、あおいと並んで、僕の姿がマスコミに出るってこと。会社として困るだろ」


園子は二人が並んだところを想像して、はっと思い至った。山科の懸念することがわかったのだ。


「あっ、そうですね」
園子は慌ててそう言った。


「でもTSUBAKIの広報部からのオーダーなのよ」
「そんなの知るか」
「あなたのお父さんに直接言ってよ」
あおいが強い口調で言う。


「父親は関係ないだろう?」
「でもお父さんの了承がないと、許可されないんじゃない?」
山科が黙る。


「お父さんが、あなたとわたしが二人でいることに、メリットがあるって判断したの」
あおいの顔に、優越感のようなものが見えた。


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