幼なじみがイケメンをこじらせたんですが。
「ナニコレ?」


 訳のわからない状況に、首を傾げたら、希良がきらりん☆ と上機嫌全開で笑う。


「ああ、彼はオレのお迎えで」


「見りゃ、判るわよ」


「彼は執事兼、マネージャーの加藤信吾君」


「……は?」


 ち、ちょっと待って!


 希良は、あっさり言ったけど、突っ込みどころ満載だから!


「執事って、あの有名なセバスチャンな執事!?
 希良って一体どんな豪邸に住んでたのよ!?
 それに、マネージャーって!?
 あんた、一体どんな有名人なのよ!?」


 わたしが言ったのは、もちろん、皮肉のつもりだったのに。


 希良はにこぱっと笑うと、とんでもないことを言い出した。


「うん、オレ。イタリアではそこそこ有名人だったからなぁ。
 一人じゃ、スケジュール管理出来なかったりするんだよな」


「……はぁ?」


 何を言ってるのよ、このヒトは。なんて。

 
 思わず眉を寄せちゃった時だった。


 その、セバスチャンな執事、加藤さんが、わたし達の教室の入り口まで来てて。


 希良さんを見ると、周りの人に気を使いながらも、力強く断固として手を振ったんだ。
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