幼なじみがイケメンをこじらせたんですが。
「外せないお約束のお時間が迫っております。
 すぐにご帰宅の準備を……」


「はぁい♪
 もう出来ているよ~~
 じゃあね、さっき」


 なんて。


 元気にわたしに向かって手を振ったあとだった。


 希良は、わたしに、一歩グィっと近づいた。


「あっ! こら!
 何しやがるんだ!テメ」って言う空琉の声や。


 クラス中の女子が騒ぐ、きゃ~ きゃ~って声を無視して、希良は囁いた。


「オレはこれで帰るけど~~
 もし、良かったら、今日8時からやる歌の特番見てくんない?」


「は?」


 だから、なんだって言うのよ!


 茫然としているわたしをほっといて、希良は加藤さんと一緒に教室から出て行った。


 そして、駐車場に止まっている、素晴らしくとんでもない車に乗り込んじゃったのよ!

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