幼なじみがイケメンをこじらせたんですが。
 まさか、わたしにそんなことを言うなんて!


 空琉はイケメンな上、サッカー上手いし、勉強も出来る。


 ごくフツーのわたしじゃ、全然つり合わない。


 そんなコトは、わたしも、とっくに判っていたことだった。


 そもそも、今までのわたしと空琉の関係は、せいぜい『幼なじみ』それ以外、何物でもない。


 長い付き合いにも関わらず。愛だの恋だのって言う色っぽい話になったことなんて、一度も無かったはずだった。


 なのに。


 思いがけない言葉に、わたしは驚いて、首を傾げる。


「……えっと、今日はどうしたの?」


 今までにない、カッコ。


 間違っても言わないはずの言葉。


 全部が変な空琉に首を傾げたら、彼は、やっぱり彼らしくなく、へらへらっと手を振った。

< 5 / 25 >

この作品をシェア

pagetop