D.o.t.L~Drag of the Love~


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【聖莉side】








「ふぅーっこれで全部揃ったかなー」





私は隼人に振舞う夕食の材料を買い、






隼人と一緒に住む家に向かう。






「蓮~っどこまで行くの~?」




「昨日のとこまだ開いてないみたいだし、ほかのとこで情報収集」




「え~~こわい人達にまた会うの~?」







学生服を着た少年2人が、堂々とネオン街の道を歩いている。






すると低い身長の方が、駅の方向にダッシュして離れた。







「...桜鈴っ。あ!昨日の!!」








不意に思い出した少年の顔を指さして私はいつのまにか叫んでいた。






「.......っあ」






指さされた少年は、私と同様に私をみて目を見開き口をあけている。






「昨日っ、買いに来たこでしょ?!」



そう声をかけながら、彼に近づいてく。








ポロン






駆け寄ったせいで、袋からじゃがいもがこぼれ落ちた。






「.......はい、じゃがいも。」





「あっ、ありがと」





「そうですよ、昨日買いに行ったものです」





そう言った彼は軽く私に微笑んだ。







彫りが深くて、艶のある黒髪の前髪を少し上にあげている彼をみて、


私は思わず胸を高鳴らせた。






「......っ、あ!やっぱそうだよね!その制服印象あってね、覚えてたんだっそれ、桜鈴でしょ?」




「はい、そうです。」




彼は返事を返しながら、私の片方の手から丸々つまった袋をさっととり、私に家の方向を聞いてきた。






「うわっごめん!ありがとうわざわざ」




「べつに、大丈夫です。用事もなくなったんで」






昨日は彼の声を一度も聞いていなかったので、こうして普通に彼と話している自分に私は少し驚いていた。





「あっ、お友達?なんかさっき一緒にいた。どうかしたの?」





「あぁ、あいつ母子家庭なんですけどお母さん急に仕事早めに入っちゃったみたいで、下の兄弟の迎え任されたみたいたんですよ。」







「へぇーっそうだったんだ、彼と遊ぶつもりだったの?」




「いや.....あそぶっつーか、まあ」





口ごもらせた彼は横目で私をちらっとみた。




「ふぅーーんっ、ここら辺に桜鈴の学生がいるなんてびっくりだなあ。あんなものやってるってことにも」






「べつにっ、俺!」





いきなり声を張り上げた彼は私の目を今度は、はっきりのみて




「俺、クスリなんてやってないです」








そうまっすぐな目で言ってきた。







「.....っえ!でもほら、昨日....」



「.....ふう。言わないって決めてたんですけど、やっぱり言っときます。



俺、父が結構有名な医者なんです。それでやたらと、講義とかに呼ばれてその度にいろいろ勉強させられるんです。
それで今度、薬物についての講義があるらしくって、それで」


「え、じゃあその勉強のためにここら辺うろついてんの?!」


「はい、そういうことです。薬物依存してる人達からなんでそういうことに手を出したのかとか、やり始めてその行為をどう思ってるのかとか、直接聞いてみたくて。」







彼はさっきとは別人にのように、自分の発言に自信をもっているように語っていた。







「...真面目だね。凄いなあ」













─────もしかして。





「もしかしてさ」





───────さがしてる?






「さがしてる?」





「え?なにをですか?」









───────クスリやってる人。









「私、やってるけど







───────クスリ。」
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