腹黒教師の甘い策略
「えっと、今から言うこと落ち着いて聞いてよ?絶対怒らないって誓える?」
「えーなにそれ。内容にもよるけど……
まあ、わかった。誓う誓う」
……なに、なにが始まるの。
意味深な香織の言葉に戸惑いながらも香織の次の言葉を待つ。
すると香織は徐に自分の携帯を確認して、さっきと同じように画面を私に見せた。そこに写し出されたものに私は息を飲んだ。
「なに、これ、どういうこと……?」
香織の携帯の画面に写し出されていたのは、谷崎 幸人の文字だった。
……これ、谷崎の電話番号。でもどうして香織の携帯に……
香織に谷崎の番号教えた覚えなんてないし……
混乱する私に、香織はゆっくり話しはじめた。
「何年前か忘れちゃったけど、あんたも私もまだ大学生だったとき、人数合わせで一度だけ合コンに行ったの覚えてない?ほら、そのとき講義一緒だった子に頼まれて……」
混乱する頭で思い出そうと必死に記憶を辿ってみる。少し考えてみると、たしかに、大学生時代に一度だけ合コンに行った気がする。香織にはそのとき彼氏がいたし、私も合コンなんてめんどうなもの苦手だったから、そういうのは避けてたけど、講義で一緒になって仲良くなった子に頼まれて行った気がする。
……確か、個室の居酒屋っぽいところだった。そこのトマトチューハイすごく美味しくて……、
でもそれと谷崎、なんの関係が……
未だに理解できない私に香織はまた話しを続ける。