カムフラージュの恋人
「樋口さん」
「なぁに?」
「何か欲しいサンプルはありますか?」
「そうねぇ。美容液は買ったからー・・・あ!来週末ね、韓国に旅行行くの。だからいつも使ってるやつの小さい版があったら、お願いしてもいい?」
「分かりました。基礎一式と・・美容液のサンプルも、入れておきますね」
「いつもありがとうっ。あの美容液、すっごく使い心地がよかった!」
「お肌の調子、良くなりましたね」

それで実物を買ってくれたり、友だちにも勧めてくれるんだから、お礼を言うのは私の方だ。

「ではこちらになります」
「ありがとう」
「こちらこそ、いつもありがとうございます、樋口さん。旅行、楽しんできてくださいね」
「ありがとー!美味しいスイーツも教えてもらって良かったわ」
「あぁ、でも今地下に行かれても、もう売り切れてると思うので、カフェの方へ行かれた方がいいと思うんですけど・・・」
「いーのいーの。それは今度のお楽しみに取っておくから」
「そうですか。では樋口さん、気をつけてお帰り下さい。ありがとうございました」
「また来るわね!」
「はい!楽しみにお待ちしてます」

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