ビターな僕の甘いレディ



オレは、冷静を装おって



「あはは…どうだろうね?」



って言いながら、作文用紙に視線を戻した。


そうすれば動揺してる表情を見られなくて済むから。



勇雅はそんなオレを変なのって顔で見ながら



「さっきさー野球してたらひなのちゃんに会ったんだって。」



と話を続ける。



「へぇー……ひなの何か言ってた?」



声が上ずるのを必死に抑えて勇雅の話に耳を傾ける。



「何か夏生が最近おかしいって言ってたけど?」



「…別にどこもおかしくないから。」



「ひなのちゃん、彼女と何かあったんじゃないかって心配してたぞ。」





……………ひなの





……鈍すぎるだろ。









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