ビターな僕の甘いレディ



確かに勇雅の受験も心配だけど、今は反省文を終わらせることに集中しよう。



そう考えて、オレは作文用紙へと視線を戻した。




流れに乗って、結構早いペースでシャーペンを動かしていたオレに



「あ、そういえば夏生に聞こうと思ってたんだけど…」



と勇雅が声を掛けた。



「聞く?何を?」



視線を紙から勇雅へ移すオレ。



勇雅は、相変わらず携帯をいじっていた。



「ひなのちゃんと何かあった?」




―――ボキッ




シャー芯が音を立てて折れた。



まさかそんな質問とは思ってもみなかったけど…



これじゃ何かありましたって言ってるよーなもんじゃん。










< 70 / 132 >

この作品をシェア

pagetop