ビターな僕の甘いレディ
確かに勇雅の受験も心配だけど、今は反省文を終わらせることに集中しよう。
そう考えて、オレは作文用紙へと視線を戻した。
流れに乗って、結構早いペースでシャーペンを動かしていたオレに
「あ、そういえば夏生に聞こうと思ってたんだけど…」
と勇雅が声を掛けた。
「聞く?何を?」
視線を紙から勇雅へ移すオレ。
勇雅は、相変わらず携帯をいじっていた。
「ひなのちゃんと何かあった?」
―――ボキッ
シャー芯が音を立てて折れた。
まさかそんな質問とは思ってもみなかったけど…
これじゃ何かありましたって言ってるよーなもんじゃん。